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モデル・コア・カリキュラムは、日本の大学の医学部で医師を養成する卒前医学教育に関して、各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共通して取り組むべき「コア」の部分を抽出し、「モデル」として体系的に整理したものです。各大学における具体的な医学教育は、学修時間数の 3 分の 2 程度を目安にモデル・コア・カリキュラムを踏まえたものとし、残りの 3 分の 1 程度の内容は、大学が自主的・自律的に編成するものとされています。

一般社団法人日本医学教育学会(医学教育学会)は、文部科学省「大学における医療人養成の在り方に関する調査研究委託事業」による委託に基づき「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」を作成いたしました。このページは医学教育学会「モデル・コア・カリキュラム改訂等に関する調査研究チーム」が、「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」に基づいて作成しています。

資質・能力

モデル・コア・カリキュラムでは、医学生が卒業するまでに身に付けるべき能力を10の資質・能力(第1層)として提示し、詳細を第2層から4層までの項目と、関連づけられた別表で示しています。

PRプロフェッショナリズム

人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利他的な態度で診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。

PR-01信頼

社会から信頼を得る上で必要なことを常に考え行動する。

PR-01-01誠実さ

  • PR-01-01-01患者や社会に対して誠実である行動とはどのようなものかを考え、そのように行動する (利益相反等)。
  • PR-01-01-02社会から信頼される専門職集団の一員であるためにはどのように行動すべきかを考え、行動する。

PR-01-02省察

  • PR-01-02-01自分自身の限界を適切に認識し行動する。
  • PR-01-02-02他者からのフィードバックを適切に受け入れる。

PR-02思いやり

品格と礼儀を持って、他者を適切に理解し、思いやりを持って接する。

PR-02-01思いやり

  • PR-02-01-01患者を含めた他者に思いやりをもって接する。
  • PR-02-01-02他者に思いやりをもって接することができない場合の原因・背景を考える。

PR-02-02他者理解と自己理解

  • PR-02-02-01自身の想像力の限界を認識した上で、他者を理解することに努める。
  • PR-02-02-02他者を適切に理解するための妨げとなる自分や自集団の偏見とはどのようなものか考え、意識して行動する。

PR-02-03品格・礼儀

  • PR-02-03-01医師に求められる品格とはどのようなものかを考え、それを備えるように努める。
  • PR-02-03-02礼儀正しく振る舞う。

PR-03教養

医師に相応しい教養を身につける。

PR-03-01教養

  • PR-03-01-01人の生命に深く関わる医師に相応しい教養を身につける。
  • PR-03-01-02答えのない問いについて考え続ける。

PR-04生命倫理

医療における倫理の重要性を学ぶ。

PR-04-01臨床倫理

  • PR-04-01-01生と死に関わる倫理的問題の概要を理解している。
  • PR-04-01-02多様な価値観を理解して、多職種と連携し、自己決定権を含む患者の権利を尊重する。
  • PR-04-01-03診療現場における倫理的問題について、倫理学の考え方に依拠し、分析した上で、自身の考えを述べることができる。

GE総合的に患者・生活者をみる姿勢

患者の抱える問題を臓器横断的に捉えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領域にとどまらずに診療を行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。

GE-01全人的な視点とアプローチ

患者の抱える問題を臓器横断的だけでなく心理・社会的視点で捉え、専門領域にとどまらない姿勢で責任をもって診療に関わり、最善の意思決定や行動科学に基づく臨床実践に関与できる。

GE-01-01臓器横断的な診療

  • GE-01-01-01臓器横断的に医学的課題を捉えることができる。
  • GE-01-01-02適切な医療機関や診療科につなぐ重要性を理解している。
  • GE-01-01-03基本的なフレームワーク(頻度・重症度・緊急度、解剖学的アプローチ、病態生理学的アプローチ、二重過程理論、事前確率等)を用いて臨床推論を行うことができる。
  • GE-01-01-04主訴に応じて、必要な医療面接・身体診察・検査を実施できる。
  • GE-01-01-05診断がつかない健康問題やその介入方法の概要を理解している。
  • GE-01-01-06多疾患が併存した状態及び複数臓器にまたがる疾患について、その介入方法の概要を理解している。
  • GE-01-01-07ポリファーマシーとその介入方法の概要を理解している。

GE-01-02生物・心理・社会的な問題への包括的な視点

  • GE-01-02-01身体・心理・社会の問題を統合したアプローチを理解している。
  • GE-01-02-02個人・家族の双方への影響を踏まえたアプローチを理解している。

GE-01-03患者中心の医療

  • GE-01-03-01個々の患者の医療への期待、解釈モデル、健康観を聞き出すことができる。
  • GE-01-03-02患者の社会的背景(経済的・制度的側面等)が病いに及ぼす影響を理解している。
  • GE-01-03-03医療の継続性(時間・情報・関係等)がもたらす影響の概要を理解している。

GE-01-04根拠に基づいた医療<EBM>

  • GE-01-04-01根拠に基づいた医療(EBM)の5つのステップを列挙できる。
  • GE-01-04-02PICO(PECO)を用いた問題の定式化ができる。
  • GE-01-04-03データベースや二次文献からのエビデンス、診療ガイドラインを検索することができる。
  • GE-01-04-04得られたエビデンスの批判的吟味ができる。
  • GE-01-04-05診療ガイドラインの種類、推奨の強さ、使用上の注意を理解している。
  • GE-01-04-06患者の個別性や状況を考慮してエビデンスの適用について考えることができる。

GE-01-05行動科学

  • GE-01-05-01行動科学に関する知識・理論・面接法を予防医療、診断、治療、ケアに適用できる。
  • GE-01-05-02適切な環境調整や認知行動療法を提案できる。
  • GE-01-05-03健康に関する行動経済学の知識を活用できる。

GE-01-06緩和ケア

  • GE-01-06-01緩和ケアの概念を理解した上で、全人的苦痛(身体的苦痛、心理社会的苦痛、スピリチュアルペイン)を評価できる。
  • GE-01-06-02がん・非がんの症状緩和の薬物療法や非薬物療法の概要を理解している。
  • GE-01-06-03救急・集中治療における治療・ケアに関して、人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)を踏まえた患者・家族とのコミュニケーションの意義を理解し、頻度の高い苦痛とその対処法・ケアを計画できる。
  • GE-01-06-04慢性疼痛の病態、経過、治療を理解した上で、その対処法・ケアを計画できる。
  • GE-01-06-05患者の苦痛や不安感に配慮しながら、就学・就労、育児・介護等との両立支援を含め患者と家族に対して誠実で適切な支援を計画できる。

GE-02地域の視点とアプローチ

地域の実情に応じた医療・保健・福祉・介護の現状及び課題を理解し、医療の基本としてのプライマリ・ケアの実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得する。

GE-02-01プライマリ・ケアにおける基本概念

  • GE-02-01-01地域の健康格差を理解し、医療へのアクセス障害等のヘルスケアシステム上の課題を適切に判断できる。
  • GE-02-01-02患者の所属する地域や文化的な背景が健康に関連することを理解している。

GE-02-02地域におけるプライマリ・ケア

  • GE-02-02-01地域(都会・郊外・へき地・離島を含む)の実情に応じた医療と医師の偏在(地域、診療科及び臨床・非臨床)の現状の概要を理解している。
  • GE-02-02-02地域の医療体制や診療機関の規模・役割に応じて、医療者として柔軟に対応できる。
  • GE-02-02-03患者の居住する地域における各疾患の罹患率、有病率等の指標を用い、臨床推論で活用できる。
  • GE-02-02-04地域の量的指標(人口構成等)や質的情報(地理的・歴史的・経済的・文化的背景)を収集し、地域の健康課題を説明できる。
  • GE-02-02-05地域の住民や医療を提供する上で必要となる専門職と協働した地域の健康増進活動の意義の概要を理解している。

GE-02-03医療資源に応じたプライマリ・ケア

  • GE-02-03-01地域の人的・物的資源に応じた医療・サービスを提案できる。
  • GE-02-03-02離島・へき地や医師不足地域等の医療資源が限られた状況での医療提供体制及び保健・福祉・介護の体制の概要を理解している。

GE-02-04在宅におけるプライマリ・ケア

  • GE-02-04-01在宅医療の現状と適応を踏まえて、その必要性や課題の概要を理解している。
  • GE-02-04-02在宅における緩和ケアや人生の最終段階における医療、看取りの在り方と課題の概要を理解している。

GE-03人生の視点とアプローチ

患者・生活者の成長、発達、老化、死のプロセスを踏まえ、経時的に患者・家族・生活者に起こり得る精神・社会・医学的な問題に関与できる。

GE-03-01人生のプロセス

  • GE-03-01-01ライフサイクル(胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、青年期、成人期、壮年期、老年期、終末期)の視点で、患者の課題を検討できる。
  • GE-03-01-02ライフステージやライフイベントの視点で、健康管理と環境・生活習慣改善を検討できる。
  • GE-03-01-03家族ライフサイクル・家族成員間関係・家族システムの視点で、患者・家族間の問題(虐待・ネグレクト等)を指摘できる。

GE-03-02小児期全般

  • GE-03-02-01小児期の身体の成長と生理機能の発達について理解している。
  • GE-03-02-02小児期の正常な精神運動発達について理解している。
  • GE-03-02-03小児期の愛着形成や保育法・栄養法について理解している。
  • GE-03-02-04小児期の栄養面での特性や食育について理解している。
  • GE-03-02-05小児期の免疫発達と感染症の関係について理解している。
  • GE-03-02-06小児期から成人期への医療の移行について、現状と課題を理解している。

GE-03-03胎児期、新生児期、乳幼児期

  • GE-03-03-01胎児の循環・呼吸の生理的特徴と出生時の変化について理解している。
  • GE-03-03-02新生児・乳幼児の生理的特徴について理解している。

GE-03-04学童期、思春期、青年期、成人期

  • GE-03-04-01思春期発現の機序と性徴について理解している。
  • GE-03-04-02学童期、思春期と関連する課題(学業、友達等に関わる課題)について理解している。
  • GE-03-04-03思春期、青年期と関連する課題(生殖、いのち等に関わる課題)について理解している。
  • GE-03-04-04成人期と関連する課題(メンタルヘルス、仕事、運動習慣、不妊等に関わる課題)について理解している。

GE-03-05老年期

  • GE-03-05-01老化に伴う臓器や身体機能の変化、それに伴う生理的変化、老化機構について理解している。
  • GE-03-05-02高齢者総合機能評価を実施できる。
  • GE-03-05-03老年症候群(歩行障害・転倒、認知機能障害、排泄障害、栄養障害、摂食嚥下障害等)について理解している。
  • GE-03-05-04フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームの概念、その対処法、予防について理解している。
  • GE-03-05-05国際生活機能分類について理解している。
  • GE-03-05-06高齢者の栄養マネジメントについて理解している。
  • GE-03-05-07日常生活動作に応じた介護と環境整備について理解している。

GE-03-06終末期

  • GE-03-06-01死の概念と定義や生物学的な個体の死について理解している。
  • GE-03-06-02死に至る身体と心の過程の知識を活用して、患者や家族がもつ死生観を配慮できる。
  • GE-03-06-03人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)について理解している。
  • GE-03-06-04小児の終末期の特殊性について理解している。
  • GE-03-06-05ACP、事前指示書遵守、延命治療、蘇生不要指示、尊厳死と安楽死、治療の中止と差し控え等について理解している。
  • GE-03-06-06悲嘆のケア(グリーフケア)について理解している。

GE-04社会の視点とアプローチ

文化的・社会的文脈のなかで生成される健康観や人々の言動・関係性を理解し、文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点から、それを臨床実践に活用できる。

GE-04-01医学的・文化的・社会的文脈における健康

  • GE-04-01-01患者の健康観や病いに対する価値観を理解するうえで、健康に関わる知識(定義、健康寿命、健康生成論、ウェルビーイング、QOL、SDH、ICF、UHC等)を活用し、健康問題に対する包括的アプローチが実践できる。
  • GE-04-01-02患者が受療に至るまでにどのような過程があるかを生活者の視点から説明できる。
  • GE-04-01-03栄養やエネルギー代謝に関する知識や統計情報をもとに個人の栄養状態を評価でき、本人や家族の生活や価値観も踏まえた上で食生活の支援を計画できる。
  • GE-04-01-04身体活動、スポーツ医・科学(競技スポーツ以外も含む)の知識や統計情報をもとに個人の生活活動を評価でき、本人や家族の生活や価値観も踏まえた上で活動や運動の支援を計画できる。
  • GE-04-01-05休養や心の健康について知識や統計情報をもとに評価し、本人や家族の生活や価値観も踏まえた上で支援を計画できる。
  • GE-04-01-06喫煙や飲酒に関して、喫煙や飲酒による健康影響の知識や統計情報をもとに、本人や家族の生活や価値観を踏まえた評価や支援を計画できる。
  • GE-04-01-07健康の社会的決定要因とアドボカシーの概要について理解している。

GE-04-02社会科学

  • GE-04-02-01人の言動の意味をその人の人生史・生活史や社会関係の文脈の中において検討できる。
  • GE-04-02-02文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点で、患者やその家族と生活環境・地域社会・医療機関等との関係について説明できる。
  • GE-04-02-03文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の理論や概念を用いて、患者の判断や行動に関わる諸事象を説明できる。

LL生涯にわたって共に学ぶ姿勢

安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生涯にわたって自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。

LL-01生涯学習

生涯学び続ける価値観を形成する。

LL-01-01生涯学習の実践

  • LL-01-01-01医学知識が常に変わりゆくことを認識し、現時点での最善の医学情報にアクセスできる。
  • LL-01-01-02学修・経験したことを省察し、自己の課題を明確にできる。

LL-01-02キャリア開発

  • LL-01-02-01自身の職業観を涵養しながら、主体的にキャリアを構築していくことができる。
  • LL-01-02-02自らの心身を大切にできる。

LL-02医療者教育

医師・医学生に限らず、同僚や後輩を含む医療者への教育に貢献する。

LL-02-01医療者教育の実践

  • LL-02-01-01後輩や同僚等と協働して学修できる。
  • LL-02-01-02後輩や同僚等に対して、適切にフィードバックできる。
  • LL-02-01-03成人学習理論を活用し、後輩や同僚等に対して教育を実践できる。

RE科学的探究

医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研究活動に関与して医学を創造する。

RE-01リサーチマインド

知的好奇心を満たす喜びとオリジナリティの重要性を知る。

RE-01-01能動的姿勢

  • RE-01-01-01常識を疑う。
  • RE-01-01-02何事にも知的好奇心を持って取り組むことができる。

RE-01-02探究心

  • RE-01-02-01最先端の研究に刺激を受ける。
  • RE-01-02-02ロールモデルとしての研究者の生き方に触れる。

RE-02既知の知

先人の偉業を知り、新たな発想を育む。

RE-02-01医学と医療

  • RE-02-01-01医療の実践が基礎医学・臨床医学・社会医学の研究に基づいていることを理解する。

RE-02-02論文読解

  • RE-02-02-01医学論文(英語)を読んで概要を理解する。

RE-03研究の実施

自然科学・人文社会科学の研究手法を体験し理解する。

RE-03-01問い

  • RE-03-01-01自身の関心を問いにすることができる。

RE-03-02研究計画

  • RE-03-02-01研究計画の素案を作ることができる。

RE-03-03研究手法

  • RE-03-03-01基礎医学の実習から基本的な実験手技を体得する。
  • RE-03-03-02社会医学(行動科学を含む)の実習から基本的な研究方法論を体得する。
  • RE-03-03-03研究室配属等で医学研究の基本的な研究手法を修得する。

RE-03-04研究結果

  • RE-03-04-01研究データを適切に記録、管理できる。

RE-04研究の発信

研究の意義・内容を他者に説明し討論する。

RE-04-01研究発表

  • RE-04-01-01自身の行った研究内容を論文や報告書・学会発表等の形にまとめることができる。
  • RE-04-01-02発表の場に応じて読者・聴衆にわかりやすく研究内容をプレゼンテーションできる。
  • RE-04-01-03他の研究者の発表に対して質問や意見を述べることができる。

RE-05研究倫理

法令遵守ならびに人権尊重し、医学生として正しく行動する。

RE-05-01適切な研究遂行

  • RE-05-01-01捏造、改ざん、盗用等を含め研究不正の類型を説明することができ、研究不正を行わない。

RE-05-02対象者の保護

  • RE-05-02-01人を対象とした研究(治験、特定臨床研究を含む)に関するルールの概要を理解し、遵守する。
  • RE-05-02-02利益相反や動物・遺伝子組み換え実験に関するルールの概要を理解し、遵守する。

PS専門知識に基づいた問題解決能力

医学及び関連する学問分野の知識を身に付け、根拠に基づいた医療を基盤に、経験も踏まえながら、患者の抱える問題を解決する。

PS-01基礎医学

分子レベルから個体レベルまでの、生命現象、細胞から個体の構成と機能、個体の反応を理解し、その破綻による病因と病態を理解する。

PS-01-01生命現象の科学

  • PS-01-01-01細胞の観察法について概要を理解している。
  • PS-01-01-02細胞の全体像を図示できる。
  • PS-01-01-03核とリボソーム、小胞体、ゴルジ体、リソソーム等の細胞内膜系、ミトコンドリア、葉緑体、細胞骨格の種類とその構造と機能について概要を理解している。
  • PS-01-01-04細胞膜の構造と機能、細胞同士の接着と結合様式について概要を理解している。
  • PS-01-01-05原核細胞と真核細胞の特徴について理解している。
  • PS-01-01-06メンデルの法則、ミトコンドリア遺伝、エピゲノム修飾(インプリンティングを含む)及び多因子遺伝について理解している。
  • PS-01-01-07遺伝型と表現型の関係について理解している。
  • PS-01-01-08染色体の構造を理解し、ゲノムと染色体及び遺伝子の構造と関係性、体細胞分裂及び減数分裂における染色体の挙動について理解している。
  • PS-01-01-09DNAの複製と修復、DNAからRNAへの転写、タンパク質合成に至る翻訳を含む遺伝情報の発現及び調節(セントラルドグマ)について理解している。
  • PS-01-01-10染色体分析・DNA配列決定を含むゲノム解析技術について概要を理解している。
  • PS-01-01-11ゲノム編集技術とその応用について概要を理解している。
  • PS-01-01-12進化の基本的な考え方について理解している。
  • PS-01-01-13生物種とその系統関係について理解している。
  • PS-01-01-14アミノ酸配列や塩基配列の比較による分子系統樹について概要を理解している。

PS-01-02個体の構成と機能

  • PS-01-02-01細胞内液・外液のイオン組成、及び浸透圧と(静止)膜電位の形成機構について理解している。
  • PS-01-02-02細胞膜のイオンチャネル、ポンプ及び膜を介する物質の能動・受動輸送過程について理解している。
  • PS-01-02-03活動電位の発生機構と伝導、シナプス(神経筋接合部を含む)の形態とシナプス伝達の機能(興奮性、抑制性)と可塑性について理解している。
  • PS-01-02-04情報伝達の種類と機能について理解している。
  • PS-01-02-05受容体の種類・細胞内局在・機能、受容体による細胞内シグナル伝達過程について理解している。
  • PS-01-02-06液性因子による細胞間情報伝達(自己分泌、傍分泌、内分泌)について理解している。
  • PS-01-02-07細胞骨格を構成するタンパク質とその機能、アクチンフィラメント系による細胞運動について概要を理解している。
  • PS-01-02-08細胞膜を介する分泌と吸収の過程と細胞内輸送システム、微小管の役割や機能について理解している。
  • PS-01-02-09軸索輸送、軸索の変性と再生について理解している。
  • PS-01-02-10上皮組織と腺の構造と機能について理解している。
  • PS-01-02-11支持組織を構成する細胞と細胞間質(線維成分と基質)について理解している。
  • PS-01-02-12血管とリンパ管の微細構造と機能について理解している。
  • PS-01-02-13神経組織の微細構造について理解している。
  • PS-01-02-14筋組織について、骨格筋、心筋、平滑筋の構造と機能を対比して理解している。
  • PS-01-02-15組織の再生の機序について理解している。
  • PS-01-02-16位置関係を方向用語(上・下、前・後、内側・外側、浅・深、頭側・尾側、背側・腹側、近位・遠位、内転・外転)で理解している。
  • PS-01-02-17刺激に対する感覚受容の種類と機序について理解している。
  • PS-01-02-18反射について理解している。
  • PS-01-02-19生体の恒常性維持と適応、恒常性維持のための調節機構(フィードバック調節)について理解している。
  • PS-01-02-20生体機能や体内環境のリズム性変化について理解している。
  • PS-01-02-21生体の恒常性維持における常在菌・腸内細菌と宿主との相互作用の重要性について理解している。
  • PS-01-02-22配偶子の形成から出生に至る一連の経過と胚形成の全体像、胚内体腔の形成過程について概要を理解している。
  • PS-01-02-23体節の形成と分化、咽頭弓・咽頭嚢(鰓弓・鰓嚢)の分化、頭・頸部と顔面・口腔の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-24体幹と四肢の骨格と筋、心血管系、泌尿生殖器系各器官の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-25消化・呼吸器系各器官の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-26神経管の分化と脳、脊髄、視覚器、平衡聴覚器と自律神経系、皮膚の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-27酵素の機能と調節について理解している。
  • PS-01-02-28糖質の構造、代謝と調節(解糖、クエン酸回路、電子伝達系と酸化的リン酸化、グリコーゲン代謝、糖新生、五炭糖リン酸回路)、生理的意義について理解している。
  • PS-01-02-29タンパク質の構造、代謝と調節、生理的意義、主要なアミノ酸の代謝、尿素回路を理解している。
  • PS-01-02-30脂質の構造、代謝と調節、生理的意義、脂質の輸送(リポタンパク質)を理解している。
  • PS-01-02-31ヘム・ポルフィリンの代謝について概要を理解している。
  • PS-01-02-32ヌクレオチドの合成・異化・再利用経路について理解している。
  • PS-01-02-33酸化ストレス(フリーラジカル、活性酸素)について概要を理解している。
  • PS-01-02-34ビタミン、微量元素の種類と作用について理解している。
  • PS-01-02-35栄養素の相互変換とエネルギー代謝(エネルギーの定義、食品中のエネルギー値、エネルギー消費量、推定エネルギー必要量)について理解している。
  • PS-01-02-36空腹時、飢餓時、食後、過食時と運動時における代謝について理解している。
  • PS-01-02-37複合糖質、複合脂質について概要を理解している。

PS-01-03個体の反応

  • PS-01-03-01原核生物としての細菌の構造と機能の違いについて真核生物と比較して理解している。
  • PS-01-03-02細菌の感染経路を分類し、細菌が疾病を引き起こす機序について理解している。
  • PS-01-03-03細菌の産生するタンパク質性毒素、非タンパク質性毒素の作用機序について理解している。
  • PS-01-03-04主なグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌の細菌学的特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-05抗酸菌の細菌学的特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-06らせん状細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアの微生物学的特徴とそれが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-07生体各部の細菌叢(マイクロバイオーム)の構成菌、細菌叢の機能について概要を理解している。
  • PS-01-03-08ウイルス粒子の構造と性状によりウイルスを分類できる。
  • PS-01-03-09ウイルス感染の種特異性、組織特異性と吸着、侵入、複製、成熟と放出の各過程、ウイルス感染細胞に起こる変化について理解している。
  • PS-01-03-10主なDNAウイルスの特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、これらのウイルスが引き起こす疾患名を列挙できる。
  • PS-01-03-11主なRNAウイルスの特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、これらのウイルスが引き起こす疾患名を列挙できる。
  • PS-01-03-12真菌(接合菌、子嚢菌、担子菌、不完全菌)の微生物学的特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-13寄生虫の分類、形態学的特徴、生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染疫学的意義、寄生虫感染宿主の生体防御の特徴について理解している。
  • PS-01-03-14微生物の特性に応じた治療薬の作用機序について概要を理解している。
  • PS-01-03-15微生物感染症に対するワクチンの原理、種類とそれに対する問題点について理解している。
  • PS-01-03-16人獣共通感染症の原因となる微生物について、その生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染疫学的意義について理解している。
  • PS-01-03-17媒介性感染症の原因となる微生物について、その生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染疫学的意義を理解している。
  • PS-01-03-18免疫反応に関わる組織と細胞について理解している。
  • PS-01-03-19補体及び自然免疫細胞が病原体により活性化し、炎症を引き起こす仕組みについて理解している。
  • PS-01-03-20主要組織適合遺伝子複合体クラスIとクラスIIの基本構造と機能、抗原提示によるT細胞活性化の仕組みについて理解している。
  • PS-01-03-21免疫グロブリンとT細胞抗原レセプターの構造と反応様式、免疫グロブリンとT細胞抗原レセプター遺伝子の構造と遺伝子再構成に基づき、多様性獲得の機構について理解している。
  • PS-01-03-22ヘルパーT細胞(Th1 cell、Th2 cell、Th17 cell)、細胞傷害性T細胞、制御性T細胞それぞれが担当する生体防御反応について理解している。
  • PS-01-03-23B細胞の活性化による抗体産生の機構及び抗体の役割を理解している。
  • PS-01-03-24自然免疫系を構成する主な細胞とそれらの活性化機構(TLR等)を理解している。
  • PS-01-03-25抗原提示細胞の種類と役割、抗原提示機構について理解している。
  • PS-01-03-26ウイルス、細菌、真菌と寄生虫に対する免疫応答の特徴の概要について理解している。
  • PS-01-03-27原発性免疫不全症候群と後天性免疫不全症候群の概要について理解している。
  • PS-01-03-28免疫寛容の維持機構とその破綻による自己免疫疾患の発症について理解している。
  • PS-01-03-29アレルギー発症の機序について理解している。
  • PS-01-03-30がん免疫に関わる細胞性機序について理解している。
  • PS-01-03-31生体(あるいは生体群)の薬物・毒物反応性について、用量反応曲線を理解している。
  • PS-01-03-32薬物の受容体結合・薬理作用の関連性及び作動薬・拮抗薬について理解している。
  • PS-01-03-33薬物の有害作用、薬物間相互作用について概要を理解している。

PS-01-04病因と病態

  • PS-01-04-01ゲノムの多様性に基づく個体の多様性について理解している。
  • PS-01-04-02単一遺伝子疾患、染色体異常による疾患、ミトコンドリア遺伝子の変異による疾患を挙げ、遺伝様式を含め理解している。
  • PS-01-04-03多因子疾患における遺伝要因と環境要因の関係について理解している。
  • PS-01-04-04薬剤の有効性や安全性とゲノムの多様性との関係について概要を理解している。
  • PS-01-04-05ネクローシスとアポトーシスの違いを含め、細胞傷害・変性と細胞死の多様性、病因と意義について理解している。
  • PS-01-04-06細胞傷害・変性と細胞死の細胞と組織の形態的変化の特徴について理解している。
  • PS-01-04-07糖代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-08タンパク質・アミノ酸代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-09脂質代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-10核酸・ヌクレオチド代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-11ビタミン、微量元素の代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-12メタボリックシンドロームの病態について概要を理解している。
  • PS-01-04-13血行障害(阻血、低酸素血、充血、うっ血、出血)の違いとそれぞれの病因と病態、梗塞(血栓、塞栓)の種類と病態について理解している。
  • PS-01-04-14血圧異常(高血圧、低血圧)について理解している。
  • PS-01-04-15炎症の定義について理解している。
  • PS-01-04-16炎症の分類、組織形態学的変化と経時的変化(局所的変化と全身的変化)について理解している。
  • PS-01-04-17炎症組織の治癒過程について理解している。
  • PS-01-04-18炎症とメタボリックシンドローム、動脈硬化、腫瘍、老化への関わりについて理解している。
  • PS-01-04-19自律性の増殖、良性腫瘍と悪性腫瘍の違いについて理解している。
  • PS-01-04-20がんの原因や遺伝子変化について概要を理解している。
  • PS-01-04-21用語(異形成、上皮内癌、進行癌、早期癌、異型性、多形性等)について理解している。
  • PS-01-04-22がんの病理診断と治療の関わりについて概要を理解している。
  • PS-01-04-23がんの転移について概要を理解している。
  • PS-01-04-24がんの免疫系による排除機構について概要を理解している。

PS-02人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療

人体各器官の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療の知識を臨床的に使用できる。

PS-02-01総論

  • PS-02-01-01臓器毎及び全身におよぶ疾患について理解している(表1)。

PS-02-02血液・造血器・リンパ系(表2-1)

  • PS-02-02-01血液・造血器・リンパ系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-02血液・造血器・リンパ系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-02-03血液・造血器・リンパ系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-04血液・造血器・リンパ系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-05血液・造血器・リンパ系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-03神経系(表2-2)

  • PS-02-03-01神経系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-02神経系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-03-03神経系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-04神経系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-05神経系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-04皮膚系(表2-3)

  • PS-02-04-01皮膚系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-02皮膚系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-04-03皮膚系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-04皮膚系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-05皮膚系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-05運動器(筋骨格)系(表2-4)

  • PS-02-05-01運動器(筋骨格)系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-02運動器(筋骨格)系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-05-03運動器(筋骨格)系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-04運動器(筋骨格)系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-05運動器(筋骨格)系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-06循環器系(表2-5)

  • PS-02-06-01循環器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-02循環器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-06-03循環器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-04循環器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-05循環器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-07呼吸器系(表2-6)

  • PS-02-07-01呼吸器系の構造と機能について基本的事項について理解している。
  • PS-02-07-02呼吸器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-07-03呼吸器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-07-04呼吸器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-07-05呼吸器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-08消化器系(表2-7)

  • PS-02-08-01消化器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-02消化器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-08-03消化器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-04消化器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-05消化器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-09腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)(表2-8)

  • PS-02-09-01腎・尿路系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-02腎・尿路系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-09-03腎・尿路系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-04腎・尿路系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-05腎・尿路系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-10生殖器系(表2-9)

  • PS-02-10-01生殖器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-02生殖器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-10-03生殖器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-04生殖器系に関する疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-05生殖器系に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-11妊娠と分娩(表2-10)

  • PS-02-11-01妊娠と分娩に関する構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-02妊娠と分娩でみられる症候について理解している。
  • PS-02-11-03妊娠と分娩で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-04妊娠と分娩に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-05妊娠と分娩に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-12小児(表2-11)

  • PS-02-12-01小児にみられる症候について理解している。
  • PS-02-12-02小児で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-12-03小児に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-12-04小児の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-13乳房(表2-12)

  • PS-02-13-01乳房の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-02乳房でみられる症候について理解している。
  • PS-02-13-03乳房に関して行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-04乳房疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-05乳房に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法について理解している。

PS-02-14内分泌・栄養・代謝系(表2-13)

  • PS-02-14-01内分泌・栄養・代謝系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-02内分泌・栄養・代謝系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-14-03内分泌・栄養・代謝系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-04内分泌・栄養・代謝系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-05内分泌・栄養・代謝系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-14-06メタボリックシンドロームの病態について理解している。

PS-02-15眼・視覚系(表2-14)

  • PS-02-15-01眼・視覚系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-02眼・視覚系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-15-03眼・視覚系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-04眼・視覚系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-05眼・視覚系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-16耳鼻・咽喉・口腔系(表2-15)

  • PS-02-16-01耳鼻・咽喉・口腔系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-02耳鼻・咽喉・口腔系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-16-03耳鼻・咽喉・口腔系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-04耳鼻・咽喉・口腔系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-05耳鼻・咽喉・口腔系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-02-17精神系(表2-16)

  • PS-02-17-01脳とこころの働きについて基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-02精神系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-17-03精神系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-04精神系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-05精神系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。

PS-03全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療

器官横断的で全身に及ぶ生理的変化を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療の知識を臨床的に使用できる。

PS-03-01遺伝医療・ゲノム医療

  • PS-03-01-01集団遺伝学の基礎としてハーディ・ワインベルグの法則について概要を理解している。
  • PS-03-01-02家系図を作成し、評価できる。
  • PS-03-01-03生殖細胞系列変異と体細胞変異の違い、遺伝学的検査の目的と意義について理解している。
  • PS-03-01-04遺伝情報の特性(不変性、予見性、共有性、あいまい性)について理解している。
  • PS-03-01-05遺伝カウンセリングの意義と方法について理解している。
  • PS-03-01-06遺伝医療における倫理的・法的・社会的配慮について理解している。
  • PS-03-01-07遺伝医学関連情報にアクセスすることができる。
  • PS-03-01-08遺伝情報に基づく治療や予防をはじめとする未発症者を含む患者・家族への適切な対処法について概要を理解している。

PS-03-02免疫・アレルギー

  • PS-03-02-01膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患の概念を区別して理解し、それぞれに含まれる疾患を列挙できる(表1)。
  • PS-03-02-02膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患でみられる症状・症候について説明できる(表2-17)。
  • PS-03-02-03免疫血清学検査の原理と検査結果の臨床的意義について理解している(表2-17)。
  • PS-03-02-04膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患に使用する治療薬について理解している(表2-17)。
  • PS-03-02-05膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患の疾患・病態について病因、疫学、症候、主な検査・診断、治療法、合併症を説明できる(表2-17)。

PS-03-03感染症(表2-18)

  • PS-03-03-01代表的な市中感染症の原因微生物について理解している。
  • PS-03-03-02代表的な医療関連感染の原因微生物について理解している。
  • PS-03-03-03代表的な免疫不全患者の罹患しやすい微生物について概要を理解している。
  • PS-03-03-04薬剤耐性の現状、代表的な薬剤耐性菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌等)と抗菌薬適正使用等の予防策について理解している。
  • PS-03-03-05患者(宿主)、感染臓器・部位、原因微生物の関係について理解している。
  • PS-03-03-06代表的な市中感染症のリスク因子、感染経路・侵入門戸、病態生理について理解している。
  • PS-03-03-07代表的な医療関連感染のリスク因子、感染経路・侵入門戸、病態生理を理解している。
  • PS-03-03-08敗血症と血流感染の相違を理解し、病態について理解している。
  • PS-03-03-09新興感染症等についてその感染経路を理解し、必要な感染対策を理解している。
  • PS-03-03-10医療面接と身体所見から感染臓器と原因微生物を想定し理解している。
  • PS-03-03-11医療面接と身体診察から想定した原因微生物の診断方法について理解している。
  • PS-03-03-12発熱患者への基本検査(血液培養2セット、尿検査・尿培養、胸部エックス線写真等)について理解している。
  • PS-03-03-13抗菌薬投与の原則(抗菌薬投与前に培養検体を提出する、微生物と臓器による標準薬を選択し投与期間を設定する)について理解している。
  • PS-03-03-14抗菌薬の初期治療(経験的治療)について理解している。
  • PS-03-03-15抗菌薬の最適治療(標的治療)について理解している。
  • PS-03-03-16ワクチン予防可能な疾患について理解している(表1)。
  • PS-03-03-17職業感染対策(ワクチン接種、針刺切創・体液曝露、結核曝露等)について理解している。
  • PS-03-03-18標準予防策(スタンダード・プリコーション)、感染経路別予防策(飛沫感染予防策、接触感染予防策、空気感染予防策等)が必要となる病原微生物、患者から医療従事者への病原微生物曝露を防ぐための個人防護具、予防接種等、医療従事者の体液曝露後の感染予防策について理解している。

PS-03-04腫瘍

  • PS-03-04-01腫瘍の定義とその特性について、ゲノム異常や分子機構(エピゲノム修飾を含む)とともに理解している。
  • PS-03-04-02我が国及び世界における各腫瘍の頻度等について理解している。
  • PS-03-04-03腫瘍性疾患発症の遺伝的素因・基礎疾患・感染症・環境生活習慣等のリスク因子、腫瘍の予防・検診について理解している。
  • PS-03-04-04腫瘍マーカー、バイオマーカー、がん遺伝子パネル検査等、腫瘍に特化した検査とその所見について概要を理解している。
  • PS-03-04-05腫瘍の内視鏡検査・画像検査(エックス線、CT、MRI、PET・核医学、超音波等)の異常所見がわかり診断できる。
  • PS-03-04-06腫瘍の生検・細胞診や病理検査とその所見について概要を理解している。
  • PS-03-04-07腫瘍のTNM分類、ステージについて概要を理解している。
  • PS-03-04-08がんの症候について理解している(表2-19)。
  • PS-03-04-09主な造血器腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-10主な脳腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-11主な皮膚腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-12主な骨軟部腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-13主な胸部腫瘍(呼吸器系)の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-14主な消化器腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-15主な泌尿器系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-16主な生殖器系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-17主な乳腺腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-18主な内分泌系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-19主な頭頸部癌の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-20主な小児腫瘍の種類、症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-21原発不明癌、転移性腫瘍、重複癌、AYA世代の腫瘍、希少がんの種類、症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-22オンコロジーエマージェンシー(脊髄圧迫、腫瘍崩壊、上大静脈症候群、代謝障害、治療の有害事象等)の起こりやすいがん、病態生理、症候と対応について概要を理解している。
  • PS-03-04-23主な腫瘍の手術療法について概要を理解している。
  • PS-03-04-24主な腫瘍の放射線療法・インターベンショナルラジオロジーの適応について概要を理解している。
  • PS-03-04-25主な腫瘍の薬物療法(細胞障害性抗癌薬、分子標的治療薬)、造血幹細胞移植、がん免疫に関する治療法について概要を理解している。
  • PS-03-04-26がん患者に対する支持療法及び緩和ケアを理解している。
  • PS-03-04-27腫瘍性疾患患者が直面する社会的・精神的な課題について理解している。

PS-03-05救急・集中治療(表2-20)

  • PS-03-05-01地域の救急医療体制について病院前救護体制、メディカルコントロール、初期・二次・三次救急医療の概念を用いて概要を理解している。
  • PS-03-05-02ショックの原因分類としての①血流分布異常性ショック(アナフィラキシー、敗血症性、神経原性)、②循環血液量減少性ショック(出血性、体液喪失)、③心原性ショック(心筋収縮力低下、弁疾患、不整脈)、④閉塞性ショック(心タンポナーデ、肺塞栓症、緊張性気胸)とそれぞれの病態及び診断の要点について理解している。
  • PS-03-05-03ショックの患者の初期対応と原因に応じた治療について理解している。
  • PS-03-05-04心停止の原因分類としての①心血管原性(急性心筋梗塞、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、肺塞栓症)、②呼吸原性(気道閉塞、緊張性気胸、肺実質病変による低酸素血症)、③ 神経原性(重症頭部・脊髄外傷、急性くも膜下出血)、④中毒・環境要因(中毒、熱中症、低体温症)、⑤電解質・酸塩基平衡異常(低・高カリウム血症、アシドーシス、低血糖)と病態及び診断の要点について理解している。
  • PS-03-05-05心停止患者の初期対応(一次・二次救命処置)と原因に応じた治療について理解している)。
  • PS-03-05-06中毒患者が呈するトキシドロームに基づき病歴と身体所見から中毒の起因物質を推定できる。
  • PS-03-05-07中毒患者への治療としての吸収の阻害、排泄の促進、拮抗薬の適応と禁忌について概要を理解している。
  • PS-03-05-08食中毒、ガス中毒(一酸化炭素中毒、硫化水素、青酸ガス)、農薬(有機リン・有機塩素)、アルコール、薬物(睡眠薬・向精神薬・解熱鎮痛薬・麻薬・覚醒剤)による中毒の病因(発生機序)、症候、診断と治療について理解している。
  • PS-03-05-09水銀、鉛、青酸、ヒ素、パラコート、自然毒、腐食剤による中毒(酸、アルカリ、フッ化水素)、ボタン電池誤飲 による中毒について理解している。
  • PS-03-05-10高温による障害(熱中症)、低温による障害(低体温症)の症候、主な検査・診断、治療法について理解している。
  • PS-03-05-11気圧、振動、騒音による障害の症候、主な検査・診断、治療法について概要を理解している。
  • PS-03-05-12外傷の病態と診断の要点について理解している。
  • PS-03-05-13熱傷の重症度を評価し(気道熱傷の有無、熱傷面積及び深達度)、治療方針について理解している。
  • PS-03-05-14臓器不全(多臓器不全、サイトカインストーム、播種性血管内凝固症候群)について理解している。
  • PS-03-05-15集中治療及び集中治療室の概要を理解している。
  • PS-03-05-16侵襲(手術,外傷,熱傷)で生じる生体侵襲と生体反応を理解している。
  • PS-03-05-17人工呼吸管理・体外式膜型肺・補助循環・急性血液浄化法が必要な病態とその意義を理解している。
  • PS-03-05-18重症患者に対する体温管理(体温維持療法を含む)及び栄養管理を理解している。
  • PS-03-05-19集中治療後症候群について概念を理解している。

PS-03-06放射線の生体影響と適切な利用、放射線障害

  • PS-03-06-01放射線の種類と放射能、これらの性質・定量法・単位について概要を理解している。
  • PS-03-06-02内部被ばくと外部被ばくについて、線量評価やその病態、症候、診断と治療について概要を理解している。
  • PS-03-06-03放射線及び電磁波の人体(胎児を含む)への影響(急性影響と晩発影響)と適切な利用法について理解している。
  • PS-03-06-04種々の正常組織の放射線の透過性や放射線感受性の違いについて理解している。
  • PS-03-06-05磁気共鳴画像で用いられている磁場や電磁波の特徴を理解し、人体や植え込みデバイスの発熱等の現象について理解している。
  • PS-03-06-06医療被ばく・職業被ばくも含めた放射線被ばく低減の3原則と安全管理を理解し、放射線を用いる画像検査と処置(エックス線撮影、CT、核医学、血管造影及びインターベンショナルラジオロジー、エックス線透視等)の被ばく軽減を実行できる。
  • PS-03-06-07放射線診断や血管造影及びインターベンショナルラジオロジー等の利益とコスト・リスク(被ばく線量、急性・晩発影響等)を知り、適応の有無を判断できる。
  • PS-03-06-08放射線治療の生物学的原理と、放射線の遺伝子・細胞への作用と放射線による細胞死の機序、局所的・全身的影響について概要を理解している。

IT情報・科学技術を活かす能力

発展し続ける情報化社会を理解し、人工知能等の情報・科学技術を活用しながら、医学研究・医療を実践する。

IT-01情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール

医学研究・医療等の場面で、情報科学技術を取り扱う際に必要な倫理観・デジタルプロフェッショナリズム及び基本的原則を理解する。

IT-01-01情報・科学技術に向き合うための準備

  • IT-01-01-01情報・科学技術を医療に活用することの重要性と社会的意義を理解している。
  • IT-01-01-02医療における情報・科学技術に関連する規制(法律、ガイドライン等)の概要を理解している。
  • IT-01-01-03デジタル情報や科学技術の活用における社会的格差が医療や福祉にもたらす影響や倫理的問題を議論できる。

IT-01-02情報・科学技術利用にあたっての倫理観とルール

  • IT-01-02-01電子カルテをはじめとする医療情報の管理・保管の原則について理解し、関連する規制(法律、倫理基準、個人情報保護のための規定等)を遵守できる。
  • IT-01-02-02ソーシャルメディア(インターネット、SNS等)の利用において、医療者として相応しい情報発信の在り方を理解し、実践できる。

IT-02医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理

安全かつ質の高い医学研究・医療に必要な情報・科学技術に関する基本理論を理解し、その知識を自身の学修や医療へ適応する姿勢を体得する。

IT-02-01情報・科学技術を活用した医療

  • IT-02-01-01情報端末(コンピューター、スマートフォン等)を用いてインターネットやアプリ等を医療の実践に活用できる。
  • IT-02-01-02情報・科学技術を用いて収集した情報およびデータを基に問題解決を図る。

IT-02-02情報・科学技術の先端知識

  • IT-02-02-01医療に関連する情報・科学技術(医療情報システム、ウェアラブルデバイス、アプリ、人工知能、遠隔医療技術、IoT等)を理解し、それらの応用可能性について議論できる。
  • IT-02-02-02情報・科学技術の専門家とともに、技術を医療へ応用する際に、医療者に求められる役割を理解している。

IT-03診療現場における情報・科学技術の活用

遠隔医療を含む患者診療、学修の最適化に有効なICTツールの実践スキル及びデジタルコミュニケーションスキルを修得する。

IT-03-01情報・科学技術を活用したコミュニケーションスキル

  • IT-03-01-01電子カルテの特性を踏まえた適切な記載や活用ができる。
  • IT-03-01-02遠隔コミュニケーションの在り方を理解し、その目的に応じて適切なツール(電子メール、テレビ会議システム、SNS等)を選択し利用できる。

IT-03-02情報・科学技術を活用した学習スキル

  • IT-03-02-01自己学習や協同学習の場に適切なICT(eラーニング、モバイル技術等)を活用できる。
  • IT-03-02-02新たに登場する情報・科学技術を自身の学び及び医療に活用する柔軟性を有する。

CS患者ケアのための診療技能

患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、医療の質と患者安全を踏まえた診療を実践する。

CS-01患者の情報収集

患者本人、家族、医療スタッフ等関係する様々なリソースを活用し、診療に必要な情報を収集できる。

CS-01-01医療面接

  • CS-01-01-01医療面接における基本的コミュニケーション技法を用いることができる。
  • CS-01-01-02病歴(主訴、現病歴、常用薬、アレルギー歴、既往歴、家族歴、嗜好、生活習慣、社会歴・職業歴、生活環境、家庭環境、海外渡航歴、システムレビュー)を聴き取り、情報を取捨選択し整理できる。
  • CS-01-01-03患者に関わる人達から必要な情報を得ることができる。

CS-01-02身体所見

  • CS-01-02-01患者の状態に応じた診察ができる。
  • CS-01-02-02全身の外観(体型、栄養、姿勢、歩行、顔貌、皮膚、発声)を評価できる。
  • CS-01-02-03バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定ができる。
  • CS-01-02-04適切な体位(立位、座位、半座位、臥位、砕石位)で診察できる。
  • CS-01-02-05部位毎の身体診察(表3)ができる。
  • CS-01-02-06基本診療科(表4)において必要な診察ができる。

CS-02患者情報の統合、分析と評価、診療計画

得られた全ての情報を統合し、様々な観点から分析し、必要な医療について評価した上で提供すべき医療を計画できる。

CS-02-01診療録記載

  • CS-02-01-01適切に患者の情報を収集し、問題志向型医療記録を作成できる。
  • CS-02-01-02診療経過を主観的所見・客観的所見・評価・計画で記載できる。
  • CS-02-01-03過去の診療経過をまとめて診療録に記載できる。

CS-02-02臨床推論

  • CS-02-02-01主要症候(表5)について原因と病態生理を理解している。
  • CS-02-02-02主要症候(表5)について鑑別診断を検討し、診断の要点を説明できる。
  • CS-02-02-03基本診療科(表4)で主訴からの診断推論を組み立てられる。
  • CS-02-02-04基本診療科(表4)における疾患の病態や疫学を理解している。

CS-02-03検査(計画、分析評価)

  • CS-02-03-01主要な臨床・画像検査(表6)の目的と意義を理解し、診断仮説の検証に最低限必要な検査項目を選択して、結果を解釈できる。
  • CS-02-03-02主要な臨床・画像検査(表6)の正しい検体採取方法と検体保存方法を理解している。
  • CS-02-03-03主要な臨床・画像検査(表6)の安全な実施方法(患者確認と検体確認、検査の合併症、感染症予防、精度管理)を理解している。
  • CS-02-03-04主要な臨床・画像検査(表6)の特性(感度、特異度、偽陽性、偽陰性、検査前確率・検査後確率、尤度比、ROC曲線)と判定基準(基準値・基準範囲、カットオフ値、パニック値)を理解している。
  • CS-02-03-05主要な臨床・画像検査(表6)の生理的変動、測定誤差、精度管理、ヒューマンエラーについて理解している。
  • CS-02-03-06患者に応じた検査値特性を理解し、結果を解釈できる。
  • CS-02-03-07主要な臨床・画像検査(表6)の目的と適応を理解し、解釈できる。

CS-02-04治療(計画、経過の評価)

  • CS-02-04-01主要症候(表5)について初期対応を計画し、専門的診療が必要かどうかを考えることができる。
  • CS-02-04-02服薬の基本・アドヒアランスについて理解している。
  • CS-02-04-03処方箋の下書きを作成できる。
  • CS-02-04-04薬の薬理作用、適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-05年齢や臓器障害に応じた薬物動態の特徴を考慮した薬剤投与の注意点について理解している。
  • CS-02-04-06薬物動態的相互作用について理解している。
  • CS-02-04-07使用禁忌、特定条件下での薬物使用(アンチ・ドーピング等)について理解している。
  • CS-02-04-08主な薬物アレルギーの症候、診察、診断、予防策と対処法について理解している。
  • CS-02-04-09薬物の蓄積、耐性、タキフィラキシー、依存の概要を理解している。
  • CS-02-04-10抗腫瘍薬の適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-11抗微生物薬の薬理作用、適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-12オピオイド鎮痛薬・鎮静薬の適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-13分子標的薬・バイオ医薬の薬理作用と有害事象の概要を理解している。
  • CS-02-04-14漢方医学の特徴、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用について概要を理解している。
  • CS-02-04-15主な放射線治療法の適応の概要を理解している。
  • CS-02-04-16インターベンショナルラジオロジーについて概要を理解している。
  • CS-02-04-17内視鏡を用いる治療の概要を理解している。
  • CS-02-04-18超音波を用いる治療の概要を理解している。
  • CS-02-04-19被覆材の種類と適応、効果について理解している。
  • CS-02-04-20外科的治療の適応と合併症について理解している。
  • CS-02-04-21手術の危険因子とその対応の基本について理解している。
  • CS-02-04-22主な術後合併症とその予防の基本について理解している。
  • CS-02-04-23手術および侵襲的処置に関するインフォームド・コンセントの注意点について理解している。
  • CS-02-04-24周術期における事前のリスク評価について理解している。
  • CS-02-04-25周術期における主な薬剤の服薬管理(継続、中止等)の必要性とそれに伴うリスクについて理解している。
  • CS-02-04-26周術期における輸液・輸血について理解している。
  • CS-02-04-27周術期における疼痛の管理について理解している。
  • CS-02-04-28局所麻酔、末梢神経ブロック、神経叢ブロック、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔の適応、禁忌と合併症について概要を理解している。
  • CS-02-04-29麻酔管理を安全に行うための術前評価について概要を理解している。
  • CS-02-04-30安全な麻酔のためのモニタリングの方法、重要な異常所見と対処法について概要を理解している。
  • CS-02-04-31麻酔薬と筋弛緩薬の種類と使用上の原則について理解している。
  • CS-02-04-32吸入麻酔と静脈麻酔の適応、禁忌、方法、事故と合併症について理解している。
  • CS-02-04-33気管挿管を含む各種の気道確保法を理解している。
  • CS-02-04-34栄養アセスメント、栄養ケア・マネジメント、栄養サポートチーム、疾患別の栄養療法について理解している。
  • CS-02-04-35経静脈栄養と経管・経腸栄養の適応、方法と合併症、長期投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-36主な医療機器の種類と原理について概要を理解している。
  • CS-02-04-37主な人工臓器の種類と原理について概要を理解している。
  • CS-02-04-38血液製剤及び血漿分画製剤の種類と適応について理解している。
  • CS-02-04-39輸血副反応、輸血使用記録保管義務、不適合輸血の防止手順について理解している。
  • CS-02-04-40輸血の適正使用、成分輸血、自己血輸血、緊急時の輸血について理解している。
  • CS-02-04-41移植医療(臓器移植、組織移植、造血幹細胞移植等)の我が国と世界の状況について概要を理解している。
  • CS-02-04-42終末期医療における臓器・組織提供選択提示の意義について概要を理解している。
  • CS-02-04-43移植における免疫応答(拒絶反応、移植片対宿主病)について理解している。
  • CS-02-04-44移植後の免疫抑制について概要を理解している。
  • CS-02-04-45リハビリテーションの概念と適応について理解している。
  • CS-02-04-46機能障害と日常生活動作の評価ができる。
  • CS-02-04-47理学療法、作業療法と言語聴覚療法について概要を理解している。
  • CS-02-04-48主な歩行補助具、車椅子、義肢(義手、義足)と装具について概要を理解している。
  • CS-02-04-49基本診療科(表4)の基本的な治療計画を立案できる。

CS-02-05教育計画

  • CS-02-05-01代表的な疾患における患者指導の計画を立案できる。

CS-03治療を含む対応の実施

患者の状態の評価に基づいて患者本人、家族、医療スタッフと連携し、必要な医療を提案または実施できる。

CS-03-01検査手技

  • CS-03-01-01検査に関する基本的臨床手技(表7)を実施できる。

CS-03-02治療手技

  • CS-03-02-01治療に関する基本的臨床手技(表7)を実施できる。

CS-03-03救急・初期対応

  • CS-03-03-01バイタルサインや身体徴候から緊急性の高い状態にある患者を認識できる。
  • CS-03-03-02一次救命処置を実施できる。
  • CS-03-03-03頻度や緊急性の高い患者に対する初期対応(二次救命処置を含む)の実施を補助できる。
  • CS-03-03-04外傷の初期対応の実施を補助できる。
  • CS-03-03-05アナフィラキシーショックの対応を補助できる。

CS-03-04書類の作成

  • CS-03-04-01各種診断書・証明書、診療情報提供書の下書きを作成できる。
  • CS-03-04-02各種検案書の下書きを作成できる。

CS-03-05患者ケアに必要な連携

  • CS-03-05-01基本診療科(表4)にどのようにコンサルテーションすればよいかを理解している。
  • CS-03-05-02褥瘡の予防、評価、処置・治療について理解している。

CS-03-06診療計画カンファレンス

  • CS-03-06-01症例検討会において適切にプレゼンテーションできる。
  • CS-03-06-02診察で得た情報を上級医にわかりやすく報告できる。

CS-04診療経過の振り返りと改善

実施された医療を省察し、言語化して他者に説明し、次回に向けて改善につなげることができる。

CS-04-01振り返りカンファレンス

  • CS-04-01-01M&Mカンファレンスに参加して自身の意見を述べることができる。
  • CS-04-01-02CPCに参加して自身の意見を述べることができる。

CS-05医療の質と患者安全

医療の質と患者安全の観点で自己の行動を省察し、組織改善と患者中心の視点を獲得する。

CS-05-01医療の質向上

  • CS-05-01-01品質改善の手法を用いて医療を改善する重要性を理解し、繰り返し評価する姿勢を身に付ける。

CS-05-02医療従事者の健康管理

  • CS-05-02-01医療従事者に求められる健康管理(生活習慣改善、予防接種、被ばく低減策)、職業感染対策(結核スクリーニング、ワクチン接種)を実践する。
  • CS-05-02-02自身を含む医療者の労働環境の改善の必要性を理解し、実際の医療現場において改善に努めることができる。

CS-05-03安全管理体制

  • CS-05-03-01患者安全のための管理体制と各々の役割(リスクマネージャー、医療安全管理委員会等)の概要を理解している。
  • CS-05-03-02医療過誤に関連した刑事・民事責任や医師法に基づく行政処分を理解している。

CS-05-04感染制御

  • CS-05-04-01医療関連感染症に関連したシステム(院内感染対策委員会、院内感染サーベイランス、感染制御チーム、感染対策マニュアル等)の役割や意義を理解して参加する。
  • CS-05-04-02標準予防策(スタンダード・プリコーション)の必要性を説明し、実践できる。
  • CS-05-04-03針刺切創、体液暴露等に遭遇した際、適切に対処できる。

CS-05-05患者安全の配慮と促進

  • CS-05-05-01基本的予防策(患者確認、ダブルチェック、チェックリスト法、類似名称薬への注意喚起、フェイルセイフやフールプルーフの考え方等)を実践できる。
  • CS-05-05-02医療の安全性に関する情報(薬剤等の副作用、薬害、転倒・転落、医療過誤、やってはいけないこと、優れた取組事例等)を共有し、事後に役立てるための分析ができる。

CS-05-06患者安全の実践

  • CS-05-06-01個人及び組織における患者安全管理の重要性を理解し、行動できる。
  • CS-05-06-02診療録の重要性を理解し、適切に記載し取り扱うことができる。
  • CS-05-06-03真摯に疑義に応じることができる。
  • CS-05-06-04インシデントが発生した際に、緊急対応や記録、報告できる。

CMコミュニケーション能力

患者及び患者に関わる人たちと、相手の状況を考慮した上で良好な関係性を築き、患者の意思決定を支援して、安全で質の高い医療を実践する。

CM-01患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮

患者のプライバシー、苦痛等に配慮し、非言語コミュニケーションを含めた適切なコミュニケーションスキルにより良好な人間関係を築くことができる。

CM-01-01患者・家族への適切なコミュニケーションスキルの活用

  • CM-01-01-01言語的コミュニケーション技能を発揮して、良好な人間関係を築くことができる。
  • CM-01-01-02非言語的コミュニケーション(身だしなみ、視線、表情、ジェスチャー等)を意識できる。
  • CM-01-01-03患者や家族に敬意を持った言葉遣いや態度で接することができる。
  • CM-01-01-04対人関係に関わる心理的要因(陽性感情・陰性感情等)を認識しながらコミュニケーションをとることができる。
  • CM-01-01-05相手の話を聞き、事実や自分の意見を相手にわかるように述べることができる。

CM-01-02患者の立場の尊重と苦痛への配慮

  • CM-01-02-01患者や家族の精神的・身体的・社会的苦痛に十分配慮できる。
  • CM-01-02-02患者や家族の話を傾聴し、怒りや悲しみ、不安等の感情を理解し、共感できる。

CM-02患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明

患者や家族の多様性に配慮し、必要な情報についてわかりやすく説明を行い、患者の主体的な治療やマネジメントに関する最善の意思決定を支援できる。

CM-02-01患者へのわかりやすい言葉の説明

  • CM-02-01-01患者や家族の多様性(高齢者、小児、障害者、LGBTQ、国籍、人種、文化・言語・慣習の違い等)に配慮してコミュニケーションをとることができる。
  • CM-02-01-02患者が理解できるよう、極力専門用語を使わずに、わかりやすく説明できる。

CM-02-02患者への行動変容の促し

  • CM-02-02-01患者や家族と情報共有や意見のすり合わせを行い、理解と同意を踏まえた意思決定を支援できる。

CM-02-03患者の意思決定の支援

  • CM-02-03-01患者の自己決定を阻害する問題点を理解する。
  • CM-02-03-02患者の経験を尊重し、価値観を明確にできるように傾聴することができる。
  • CM-02-03-03患者の意思決定支援のために、最善のエビデンスをできるだけ専門用語を使わずに、わかりやすく説明することができる。
  • CM-02-03-04患者の価値観に沿った目標に基づいた治療方針を計画することができる。

CM-03患者や家族のニーズの把握と配慮

患者や家族の心理的、社会的背景を広い視野で捉える姿勢を持ち、患者の持つ困難や必要な情報提供に対応できる。

CM-03-01患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得

  • CM-03-01-01患者の心理的及び社会的背景や自立した生活を送るためのニーズを把握することができる。
  • CM-03-01-02患者が抱える課題、問題点を抽出・整理できる。
  • CM-03-01-03患者自身から情報が得られない場合、代理人や保護者等から必要な情報を得ることができる。

CM-03-02患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療

  • CM-03-02-01家族や地域といった視点をもちながら、コミュニケーションをとることができる。
  • CM-03-02-02心理・社会的背景に配慮した診療に可能な範囲で参加することができる。
  • CM-03-02-03医療の不確実性を理解した上で適切な行動や態度をとることができる。

IP多職種連携能力

医療・保健・福祉・介護など患者・家族に関わる全ての人々の役割を理解し、お互いに良好な関係を築きながら、患者・家族・地域の課題を共有し、関わる人々と協働することができる。

IP-01連携の基盤

患者や利用者、家族、地域の重要な課題について、協働する関係者と共通の目標を設定する過程で、背景が異なることに互いに配慮し、役割、知識、意見、価値を伝え合うことができる。

IP-01-01患者中心の保健医療福祉

  • IP-01-01-01患者・利用者・家族に関連する情報について、多職種及び他の医療系学部の学生と共有できる。

IP-01-02職種間コミュニケーション

  • IP-01-02-01多職種及び他の医療系学部の学生の役割や意見を尊重した説明や返答、問いかけができる。

IP-01-03医師間の紹介と相談

  • IP-01-03-01適切な診断・検査・治療のために、適切な施設・専門科・医師への紹介や相談ができる。
  • IP-01-03-02患者のケアと責任が継続できるよう、医師間での考えや期待を共有できる。

IP-02協働実践

自他の役割や思考・行為・感情・価値観を踏まえ、協働する職種で信頼関係を構築し、時に生じる職種間の葛藤にも適切に対応しながら、 互いの知識・技術を活かし合い、職種としての役割を全うできる。

IP-02-01職種役割

  • IP-02-01-01自らの知識や価値観を多職種及び他の医療系学部の学生に伝えることができる。
  • IP-02-01-02多職種及び他の医療系学部の学生の中で自らの役割を果たすことができる。

IP-02-02関係性への働きかけ

  • IP-02-02-01多職種及び他の医療系学部の学生と共に学び、成長できる。
  • IP-02-02-02対人関係や対人行動に関わる概念について理解している。

IP-02-03自職種の省察

  • IP-02-03-01医師の役割を多職種及び他の医療系学部の学生に説明できる。
  • IP-02-03-02自らの価値観や言動について、多職種及び他の医療系学部の学生との関係性の中で、相対化できる。

IP-02-04他職種の理解

  • IP-02-04-01病院・診療所・施設等の職場環境やチームや部門等の所属に応じた他職種の役割を理解している。

SO社会における医療の役割の理解

医療は社会の一部であるという認識を持ち、経済的な観点・地域性の視点・国際的な視野なども持ちながら、公正な医療を提供し、健康の代弁者として公衆衛生の向上に努める。

SO-01社会保障

憲法で定められた「生存権」を守る社会保障制度、公衆衛生とは何か、地域保健、産業保健、健康危機管理を理解する。保健統計の意義や利用法を学ぶ。

SO-01-01公衆衛生

  • SO-01-01-01公衆衛生の概念を理解している。
  • SO-01-01-02地域共生社会の概念を理解している。
  • SO-01-01-03予防の段階とそれらの戦略を理解している。
  • SO-01-01-04公衆衛生活動(健診、健康づくりイベント等)の意義を理解し、役割の一部を担うことができる。

SO-01-02社会保険、公的扶助、社会福祉

  • SO-01-02-01生存権等の健康に関する基本的人権と社会保障(社会保険、社会福祉、公的扶助)の意義と概要を理解している。
  • SO-01-02-02国民皆保険としての医療保険、介護保険、年金保険を含む社会保険の仕組みと問題点を理解し、改善策を議論できる。
  • SO-01-02-03障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)等の障害者福祉の概要を理解している。

SO-01-03地域保健

  • SO-01-03-01保健所、市町村保健センター、地方衛生研究所の役割を理解している。
  • SO-01-03-02健康増進法、栄養、身体活動、休養等の健康増進施策の意義と概要を理解している。
  • SO-01-03-03地域保健に関連する基本的な制度や法律を理解している。
  • SO-01-03-04精神保健及び精神障害者福祉の意義及び関連する制度や法律を理解している。
  • SO-01-03-05成育基本法、母子保健法、母体保護法、児童福祉法、児童虐待防止法等、母子保健施策の意義と概要を理解している。
  • SO-01-03-06学校保健安全法、学校医の役割、学校感染症等、学校保健の意義と概要を理解している。

SO-01-04産業保健・環境保健

  • SO-01-04-01産業保健の意義、労働衛生の3管理等、産業保健の基本的な考え方を理解している。
  • SO-01-04-02産業保健・環境保健に関連する基本的な制度や法律を理解している。
  • SO-01-04-03労働災害及び職業性疾病とのその対策を理解している。
  • SO-01-04-04有害物質による産業中毒とその対策を理解している。

SO-01-05健康危機管理

  • SO-01-05-01健康危機の概念と種類、それらへの対応(リスクコミュニケーションを含む)について理解している。
  • SO-01-05-02健康危機管理(感染症、放射線事故、災害等の有事)に関連する基本的な制度や法律を理解している。
  • SO-01-05-03災害拠点病院、種々の活動チーム等、災害保健医療の意義を理解している。

SO-02疫学・医学統計

人間集団を対象とする研究法である疫学の考え方と意義、主な研究デザインを学ぶ。医学、生物学における統計手法の基本的な考え方を理解する。

SO-02-01保健統計

  • SO-02-01-01主な人口統計(人口静態と人口動態)、疾病・障害の分類・統計(ICD等)を理解している。
  • SO-02-01-02平均寿命、健康寿命について説明できる。

SO-02-02疫学

  • SO-02-02-01公衆衛生と臨床の視点から見た疫学の役割を理解している。
  • SO-02-02-02割合・比・率の違い及び代表的な疫学指標(有病割合、リスク比、罹患率等)を理解している。
  • SO-02-02-03主なバイアスや交絡を例示できる。
  • SO-02-02-04年齢調整における直接法と間接法の違いを説明できる。
  • SO-02-02-05主な疫学の研究デザインとして、観察研究(記述研究、横断研究、症例対照研究、コホート研究)及び介入研究(ランダム化比較試験等)を理解している。
  • SO-02-02-06急性感染症に特異的な疫学的アプローチを理解している。
  • SO-02-02-07エビデンスの限界を踏まえながら、集団に影響する意思決定を支援できる。

SO-02-03データ解析と統計手法

  • SO-02-03-01尺度(間隔、比、順序、名義)について説明できる。
  • SO-02-03-02データの分布(欠損値を含む)について説明できる。
  • SO-02-03-03正規分布の母平均の信頼区間について説明できる。
  • SO-02-03-04相関分析、平均値と割合の検定等を実施できる。
  • SO-02-03-05多変量解析の意義を理解している。

SO-03法医学

死の判定や死亡診断と死体検案を理解する。

SO-03-01死と法

  • SO-03-01-01植物状態、脳死、心臓死及び脳死判定について理解している。
  • SO-03-01-02異状死・異状死体の取扱いと死体検案について理解している。
  • SO-03-01-03死亡診断書と死体検案書を作成できる。
  • SO-03-01-04個人識別の方法を理解している。
  • SO-03-01-05病理解剖、法医解剖(司法解剖、行政解剖、死因・身元調査法解剖、承諾解剖)について理解している。

SO-04社会の構造や変化から捉える医療

患者の抱える健康に関する問題の背景にある社会的な課題を適切に捉え、その解決のために積極的に行動する。

SO-04-01健康と医療

  • SO-04-01-01健康寿命を延ばすために働きかけを行うことができる。
  • SO-04-01-02バリアフリー等の障害と社会環境に関連する概念を理解した行動をとることができる。

SO-04-02ジェンダーと医療

  • SO-04-02-01女性やLGBTQに対する差別等のジェンダー不平等をなくすために積極的な行動をとることができる。

SO-04-03気候変動と医療

  • SO-04-03-01気候変動と医療との関係性を理解し、患者が抱える健康に関する課題と気候変動との関係を想像できる。
  • SO-04-03-02自然災害(新興感染症を含む)が起きた際に必要とされる医師の役割を理解している。

SO-04-04哲学と医療

  • SO-04-04-01近現代思想・哲学の語彙の概要を理解している。

SO-04-05歴史と医学・医療

  • SO-04-05-01医学・医療の歴史的変遷を踏まえ現代の医学的問題を相対化できる。

SO-04-06医療経済

  • SO-04-06-01経済が医療に与える影響について理解している。

SO-04-07社会的公正

  • SO-04-07-01医療資源を公平に分配するとはどういうことか考え、自らの意見を述べることができる。

SO-05国内外の視点から捉える医療

国内及び国際社会の中で規定される医療の役割と医療体制について概要を理解している。

SO-05-01国内の医療職の役割や医療体制

  • SO-05-01-01医師法が定める医師の職権と義務を理解している。
  • SO-05-01-02医療職を規定する法律・制度を説明できる。
  • SO-05-01-03医療法が定める医療施設の種類と機能について概要を理解している。
  • SO-05-01-04医療計画について概要を理解している。
  • SO-05-01-05地域医療提供体制に関する諸課題の相互関連性の概要を理解している。
  • SO-05-01-06医療提供体制と医師の働き方について自身の考えを述べることができる。

SO-05-02グルーバルヘルスの役割や医療体制

  • SO-05-02-01国際的に取り組む必要のある医療・健康課題について、歴史・社会的背景を踏まえて、概要を理解している。
  • SO-05-02-02ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの意義を理解し、世界各国の医療制度が抱える問題を例示できる。
  • SO-05-02-03保健関連の国連開発目標や国際機関・国際協力に関わる組織・団体について概要を理解している。

SO-06社会科学の視点から捉える医療

医学的・文化的・社会的文脈のなかで生成される健康観や人びとの言動・関係性を理解し、社会科学 (主に医療人類学・医療社会学)の視点・理論・方法から、それを臨床実践に活用することができる。

SO-06-01社会科学と医療との関係

  • SO-06-01-01日常生活や外来診療・在宅療養・入院・施設入所等において、健康・病気・死の捉え方を探索できる。
  • SO-06-01-02時代の流れ、社会の状況や諸制度との関わりのなかで医療に関する諸事象を捉え、構造的に説明できる。
  • SO-06-01-03個や集団に及ぼす文化・慣習による影響(コミュニケーションの在り方等)を理解している。

このページは医学教育学会「モデル・コア・カリキュラム改訂等に関する調査研究チーム」が、「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」に基づいて作成しています。

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